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オーストラリアの教育



生徒の個性を大切にすると言われるオーストラリアの
教育。日本との違いを中心に特徴をご紹介します。

①指定された教科書はありません!
②先生の役割
③州ごとに教育制度が異なります
④カリキュラムの標準規格
⑤学年の考え方
⑥学校生活
⑦時間割
⑧オーストラリアの「総合的な学習」

●各州カリキュラムに関するお役立ちHP(英語)
          = 概要 =

オーストラリアは人口約2000万人(日本の約6分の1)の国です。学校の数は約1万校。そのうち約60%が公立、約30%がカトリック校、約10%がその他の私立校です。

義務教育は6歳から15歳まで(タスマニア州のみ16歳まで)です。1クラスの生徒数は多くても25人ほどです。

就学前にの準備学年(Preparatory Year)を経て、1~6年生(または7年生)までが小学校、7年生(または8年生)から10年生まで中学校(ジュュニアセカンダリー)、11~12年生が高校(シニアセカンダリー)で勉強し高等期間への進学や就職の準備をします。

① 指定された教科書はありません!

オーストラリアでは政府によって決められた教科書がありません。
各州教育省によって告示された学習指導要領をもとに、各学校が教材だけでなく、カリキュラムもそれぞれ独自に作るしくみとなっています。ですから学校の先生方の大切な仕事として教材開発、カリキュラム開発も含まれています。実際、使われている教材はオリジナルのもの、市販のテキストや教師用資料に手を加えたものなど、授業内容と子供たちの興味関心に合わせて工夫されています。そうして作られたプリントなどが配布されることがほとんどで、教科ごとに教科書があるというわけではありません。

このように指定教科書がない背景には、オーストラリアの教育が「知識」よりも「考える力」や「コミュニケーション能力」の育成に力が入れられていることがあげられます。講義式の一斉授業はあまりなく、グループディスカッションやプレゼンテーション、リサーチワーク(調べ学習)なども小学校低学年のうちから始めています。

先生の役割

授業では先生の役割として、「教える人(Teacher)」というよりは、「生徒の学びをうながす役目の人」という意味合いの「ファシリテイター(Facilitator)」であるという考え方があります。

答えや結論をを見つけ出すのは生徒自身。先生は生徒がきちんと自分なりの考えを持てるように手助けする存在です。

「○○についてあなたの意見は何ですか?」「なぜ○○だとあなたは思いますか?」と、先生や大人が期待する答えを生徒が探そうとするのではなく、あくまで自分の考えを言えるように質問の仕方にも工夫があります。知識を問う質問ばかりでなく、答えが1つではない意見を問う質問が多いのも特徴です。多文化社会のオーストラリアでは、幼い頃から自分とは違った意見、考え方があるということを受け入れる精神はとても大切なことです。

また先生と生徒の関係については、親しい友達のような関係は作らず、年齢に関係なく先生はあくまで先生として毅然とした態度で生徒に接します。生徒に対しても個人として尊重する態度で接し、意見をきちんと聞き入れたり、大人に対するのと同様に扱おうとすることが多く見られます。


③ 州ごとに教育制度が異なります。

オーストラリアは連邦州制度を採用していることから、教育についても各州教育省が、カリキュラム・スタンダード・フレームワークなどと呼ばれる教育の標準規格を作っています。わかりやく言えば州ごとに学習指導要領がある、ということです。しかしながら各州は国が告示する教育方針にそって指導要領を作りますから、州ごとに特色はあるものの内容的に大きく違いが出て問題になるほどではありません。

制度的な違いでは、例えばクイーンズランド州では1年生~7年生までが小学生ですが、他州では1年生~6年生までが小学生であるように多少異なります。

④カリキュラムの標準規格

オーストラリアの学習指導要領はどのようなものなのか?

8つの主要学習領域において、準備学年(日本では幼稚園年長に相当します)から10年生(高校1年生)までの決められた各段階で、生徒が何を学習しどんな能力を身につけているべきかを示しています。生徒を成功した学習者へと導くために、カリキュラムと達成度を測る具体的指標を、学校と社会に対して明確に提示しています。これを参考に、各学校は政府の政策、地域社会の要求と合わせて、最善の教育プログラムを作り上げます。

各州の学習指導要領はこちらへ(英語)
           

学習指導要領の特徴
・各レベルにおいて以下の3点について明記されています
 ①学習内容
 ②学習の結果どのようなことが身についているか ⇒達成目標
 ③生徒の習得を測るための指標 ⇒達成度を測る具体的指標

8つの教科領域
・ 芸術(The Arts)
・ 英語(English)
・ 保健体育(Health and Physical Education)
・ 外国語(LOTE=Language Other than English)
・ 算数(Mathematics)
・ 理科(Science)
・ 社会と環境(SOSE=Studies of Society and Environment)
・ 技術(Technology)

上記とは別に英語を母国語としない生徒のためにはESL(English as a Second Language)の授業もあります。
注)各教科の呼び方についても州によって多少異なる部分があります

⑤学年の考え方

学年については非常に柔軟な考え方をしています。年齢(誕生日)で学年が区別される日本とは違い、オーストラリアでは特に小学校の段階では生徒の能力で学年を決定するという考え方があります。

例えば、 2年生のある児童が算数がどうも不得意だったとします。2年生終了時期になっても算数の習得が不十分であったため先生と保護者が話し合い、児童にとってどういう対策がベストであるか検討します。その結果算数に関しては、もう一度2年生の授業を受ける(つまり算数のみ留年)、というようなこともあり得ます。日本では小学生が留年なんてさせられたら大変!と思われるかもしれませんが、こちらでは捉え方が違います。「もう一度2年生ができるなんてラッキー」、「一度やっているからみんなより分かっていることが多いスタートで、自信を持って算数の授業にのぞめるようになる」とポジティブな考え方です。

⑥学校生活

制服
オーストラリアでは公立、私立を問わずほとんどの学校で制服があります。制服の一部として帽子があります。紫外線が強さが日本の5,6倍と言われるほどで、皮膚への悪影響を最小に防ぐため着用が義務付けられています。

NO HAT, NO PLAY.
帽子を忘れた生徒は校庭など外での授業や遊びが禁止されているルールがあります。

教室での机の並び方
授業内容にもよりますが、多くの場合グループごとに机を寄せて使います。グループで学習することや共同作業をすることが多くあります。また机を使わず、生徒がかたまって床に座り先生の話を聞いたりする場面も多く見られます。

学校=多文化社会
オーストラリアの学校は様々な出身国の生徒が集まっています。都市部では4人に1人は家庭では英語以外を母国語としているとも言われています。異なる文化、生活習慣、宗教などを互いに尊重しあう精神を養うことはオーストラリアにとってとても大切なことです。

休み時間・昼休み
1時間の授業時間はたいてい35分~45分くらいです。授業間に休憩時間はありませんが、午前中の10時ごろ20分間くらいの休憩があり「モーニングティー」などと呼ばれています。生徒は持ってきたおやつを自由に食べることができます。

昼休みは40分~1時間ほどありますが、生徒は基本的に教室の外に出なくてはなりません。給食もありませんので、各自が持ってきたお弁当を外で食べます。

授業の合間に休み時間はありませんが、トイレに行きたくなった場合は先生の許可を得て行くことができます。

⑦時間割

授業時間数は制度として決められていることはありません。こちらも学校の裁量に任せられています。学校により、日本の時間割に似た形式になっているものもあれば、全く異なるタイプのものもあります。異なるタイプとしては、特にオーストラリアの小学校ではIntegrated Curriculumと呼ばれる「総合的学習カリキュラム」が取り入れられているため、複数教科統合型の授業が多いことによります。

⑧総合的学習カリキュラム

英語では Integrated Studiesと呼びます。
教科を、教科ごとの枠組みで学習するのではなく、異なる教科間につながりを持たせて学習により意味を持たせるよう工夫されたカリキュラムで、オーストラリアの小学校では主流となっています。

日本の「総合的な学習の時間」の内容・目的と似ている部分も多く、日本の先生方にとってはヒントとなるような例がたくさんあります。「探求学習(Inquiry Learning)」を基本に、知識・スキルの両方を生徒の能動的な学びによって養います。オーストラリアには総合的学習カリキュラムのモデルがいくつか見られますが、最も一般化しているものを以下のリンク先で詳しく紹介します。

総合的学習カリキュラムについてはこちらをクリック>>

総合的学習カリキュラムの授業例はこちらをクリック>>





もっと詳しく知りたい人のためのお役立ちHP(英語)

各州のカリキュラム標準規格(学習指導要領)について下記のHPをご参照下さい。

ニューサウスウェールズ州(州都シドニー)
Board of Studies
http://www.boardofstudies.nsw.edu.au/syllabus_sc/

首都特別地域(ACT、キャンベラ)
Department of Education and Training
http://www.decs.act.gov.au/publicat/acpframeworks.htm

クイーンズランド州(州都ブリスベン)
Queensland Studies Authority
http://www.qsa.qld.edu.au/

ヴィクトリア州(州都メルボルン)
Curiculum@work
http://www.eduweb.vic.gov.au/CurriculumAtWork/index.htm
Victorian Curriculum and Assesment Authority
http://www.vcaa.vic.edu.au/

南オーストラリア州(州都アデレード)
South Australian Curriculum Standards and Accountability Online
http://www.sacsa.sa.edu.au/splash.asp

西オースラリア州(州都パース)
Curriculum Council of Western Australia
http://www.curriculum.wa.edu.au/

ノーザンテリトリー(北部準州、準州都ダーウィン)
Northern Territory Curriculum Framework
http://www.deet.nt.gov.au/education/teaching_and_learning/curriculum/ntcf/

タスマニア州(州都ホバート)
Department of Education Tasmania
http://www2.education.tas.gov.au/



























先生オリジナル教材の例。スマーティーズという様々な色の粒チョコを使って算数(数の数え方、グラフの書き方)の学習をします。教材には子供達にとって身近なものが多く使われます。















教室には、カラフルな掲示がよく見られます。(小学校の様子)


















持参するお弁当の中身は、サンドイッチ、果物、ヨーグルト、ナッツなどが多い。