英語では Integrated
Studiesと呼びます。
教科を、教科ごとの枠組みで学習するのではなく、異なる教科間につながりを持たせて学習により意味を持たせるよう工夫されたカリキュラムで、オーストラリアの小学校では主流となっています。1980年代より取り入れられ、今日では様々な実践経験が蓄積されてきています。
日本の「総合的な学習の時間」の内容・目的と似ている部分も多く、日本の先生方にとってはヒントとなるような例がたくさんあります。「探求学習(Inquiry
Learning)」を基本に、知識・スキルの両方を生徒の能動的な学びによって養います。オーストラリアには総合的学習カリキュラムのモデルがいくつか見られますが、最も一般化しているものを以下で紹介します。
なぜ総合学習カリキュラムが導入されたのか?
そもそも1960年代の学校の授業といえば、教師主導型の講義式の授業がまだ主流でした。各教科は別個に扱われ、教科間のつながりは特にありませんでした。授業での学びの中心は、知識を得ること、教えられた通りに理解することでした。
1970年以降になると、上記のような学習スタイルが反省されるようになりました。理由として挙げられたのは例えば、生徒の学びに不平等な学習成果が現れる結果になること、詰め込み型のカリキュラム、学校での学習が生活と結びつきにくく生徒の学習意欲を維持できない、など。
そこで1970年代~1980年代初頭にかけて導入されたのが、現在の総合学習カリキュラムの前段階である「テーマ学習」でした。テーマを決めて、各教科の要素に関連付けられながら学習が進められました。しかしながら、テーマ学習の問題点として、生徒にとって学習が難しいと感じるものよりも、体験的で楽しめるものであることの方が重視される傾向が強く、もっと「学び」の質が問われていくようになりました。
そして1980年代後半~1990年代には現在の「総合型」のカリキュラムが開発されました。異なる教科間につながりを作り(ただし、つなげるのが無理な場合は無理せずその教科を個別に扱う)、生徒にとって身近なテーマを探求学習をを経て学習していきます。このカリキュラムでは、知識よりも生徒に身に付けてほしい「スキル」を、学習を通してどう伸ばすかが重要となります。
質問の種類
生徒に問いかけをする時にはどんなことを気を付けたら良いのか。大きく分けて2種類の質問のタイプがあります。
1.Closed Questions (閉じた質問)
答えは1つ、または答えが決まっている質問。主に知識を問います。
例「オーストラリアの首都は?」
2.Open Questions (開かれた質問)
決まった答えがない質問。生徒自身の考えを引き出します。議論が生まれる質問。
例「クラス全員が気持ちよく学校生活を送るためには、どんなことをしたらいいとあなたは提案しますか?」
ここで、「先生はこう思う~」などと先生が意見することにはとても注意が必要です。
生徒は先生の言うことは 正しい=(イコール)正しい答え、という受け止め方をしてしまい、次回から
「先生が期待する答え」を考えてしまうようになります。
また小さなことですが、
1.「なぜ飛行機は空を飛べるのですか?」と 2.「なぜ飛行機は空を飛べるのだととあなたは思いますか?」
の2つの質問では、1はClosed Questionに近く、2はOpen Questionに近い、というように同じ質問をしているようで
も、ニュアンスの違いがあるようです。
総合的学習カリキュラムでは、質問の種類についても意識した指導法が重要ですそして先生はあくまでファシリテイター(Facilitator)にします。
| 探求の段階 |
課題を見つける (Tuning In) |
関連するスキル |
| 目的 |
・生徒がテーマについてすでに知っていること、疑問に思っていることを把握する ・この先の学習の方向性を考える ・テーマに対する生徒の関心を引き寄せる |
視覚的に表す 分かち合う 計画する 予測する 組織する 見積もる 仮定する 分類する |
| 活動例 |
・コンセプトマップ ・ブレインストーミング ・ディスカッション ・表の作成 ・質問を考える |
↓
| 探求の段階 |
調べる (Finding Out) |
関連するスキル |
| 目的 |
・調べ学習の仕方を学ぶ ・テーマについての情報収集 ・多角的な視野で情報を集める |
観察する 質問する ノートをとる 聞く 読む 必要な情報を選択する 分類する 偏見を持たない 関連づけて考える 様々な角度で考える |
| 活動例 |
・体験的学習 ・ビデオを観る ・ゲストスピーカーの話を聞く ・インタビュー ・調査 ・本やインターネットでの調べ学習 ・見学 |
↓
| 探求の段階 |
まとめる (Sorting Out) |
関連するスキル |
| 目的 |
・テーマについて集めた情報と自分の考えを整理する ・算数、国語、音楽、図工などの教科を通してまとめる |
計画する 協力する 情報を処理する 分析する 選択する 説明する 確認する 様々な方法で表現する |
| 活動例 |
・絵画によって表現する ・音楽によって表現する ・調べた内容を数値化してグラフを作る ・本をつくる ・劇をつくる、ロールプレイ |
↓
| 探求の段階 |
結論を導く (Making
Conclusions) |
関連するスキル |
| 目的 |
・ここまでの学習で得た知識、スキルを ・学習を振り返り、 |
統合する 解釈する 一般化する 振り返る 見直す 物事の順序を整理する 感想を述べる 要約する 考えを練る |
| 活動例 |
・「見つけ出す」の段階を振り返る ・コンセプトマップを作る ・テーマについて考えたことをレポートにまとめる |
↓
| 探求の段階 |
行動を起こす (Taking
Action) |
関連するスキル |
| 目的 |
・これまでの学習と経験を社会とリンクさせる ・これまでの学習の総まとめとして学校や社会に対して働きかける ・テーマについてさらに応用的に学習する機会とする |
企画する 計画する 選択肢を考える 振り返る 自立する 正当化する |
| 活動例 |
・地域の新聞に記事を載せる ・学校全体に向けて学習から学んだことを発表する
(テーマにより活動内容は多様です) |
↓
| 探求の段階 |
振り返る (Reflecting) |
関連するスキル |
| 目的 |
・自己と仲間のの成長を確認する ・次の学習への課題を明確にする |
振り返る 評価する |
| 活動例 |
・自己評価 ・評価し合い ・発表 |
注)「行動を起こす」と「振り返る」の段階は順序が入れ替わったり、統合されることもあります
The Big Picture, Edited by Keith Pigdon and Marilyn Woolley 1993 Eleanor
Curtin Publishing, Melbourne Planning Curriculum Connections, Kath Murdoch
and David Hornsby 1997 Eleanor Curtin Publishing, Melbourne Thinking for
Themselves, jeni Wilson and Lesley Wing 1993 Jan Eleanor Curtin publishing,
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Focus on Inquiry, Jeni Wilson and Lesley wing Jan 2003 Curriculum
Corporation, Melbourne

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