- Multiple Intelligences Theory -
オーストラリアの学校では、カリキュラム作成時にマルティプル・インテリジェンス理論を取り入れることが多くみられます。日本語では「MI理論」「多重知性理論」「総合的知性」などと呼ばれています。
ハーバード大学教育大学院ハワード・ガードナー教授が1983年、著書Flames of
Mindで提唱した理論。 人は誰でも多重知能(Multiple
Intelligences)を持っているとし、人は個人差はあるものの必ず8つの知性を備えているという考えです。どの知能に強く、どの知能に弱いか、また組み合わせは個人によって異なりますが、それを知ることで学習者の学び方の特性をつかむことが出来ます。そして学習者の特性に合わせた効果的な学習プログラムを作ることが可能になります。またガードナーは知性は学びによって伸ばすことができると主張しています。
これらの知性に優劣はありません。、「計算」や「読み書き」ができることが、上手に歌を歌うことや運動ができることよりも優れているということではなく、全て平等に評価されるべきで、それこそが「個を大切にする教育」の基本としてとらえれられています。「どれだけ生徒が賢いのか」ではなく「どのように賢いのか」を見極めることが重視されています。オーストラリアではマルティプル・インテリジェンス理論をベースにしたテキストブックも多く市販されています。
8つの知性とは:
①言語的知性(Word) 言語を巧みに操作し、効果的に表現する力。母国語だけでなく外国語を習得する力も含まれる。 ⇒スピーチやディベート、言葉遊び(しりとりやクロスワードなど)、詩作などが得意
②論理・数学的知性(Logic
and
Maths) 数を操作したり、論理的に考える力。 ⇒数学、計算、分析、分類など、論理的な思考を必要とする問題が得意
③身体的知性(Body) 身体を巧みに操作し、表現する力。 ⇒運動、ダンス、演技などが得意
④音楽的知性(Music) 音楽やリズムのパターンを認識が得意でし、さらに音楽を使って巧みに表現できる力。 ⇒作曲、歌が得意
⑤空間的知性(Space) ものごとをイメージ化したり、空間における位置、形、色、質感などを認知し、さらに表現する力。 ⇒絵画、彫刻、映像化が得意。
⑥対人的知性(People) 他人の感情や考えを理解し、人間関係をきずく力。
⑦内省的知性(Self) 自分自身を理解する力。自分の感情、思想、思考、価値観などを認識できる力。
⑧自然認識知性(Nature) 自然を認知し共存できる力。 ⇒動物の飼育、植物の栽培、自然観察などへの関心が高い。
これらの知能は教科ごとに区切られる必要はありません。例えば生徒の論理・数学的知性を図工の時間に伸ばすよう工夫することもできます。「家の模型を作る」という課題があるとき、測量、図面書き、材料にかかる予算、完成までの時間割など、空間的知能が大きくかかわる図工の時間に、意識的に論理・数学的知性も組みあわせるとこが可能です。そうすることにより、図工は嫌いだけど算数は好きという生徒の学習意欲をそそり、また算数は苦手だけど図工は好きという生徒の算数の力を伸ばすこともできます。
注)1983年Frames
of Mind で①~⑦の知能が提唱され、のち1999年にIntelligences Reformedで⑧が加えられました。
Gardner, Howard 1983, Flames of Mind, William Heinemann Ltd, Great
Britain Gardner, Howard 1999, Intelligences Reframed, 1999, Basic
Books, New York Vialle, W & Perry,J 1995, Nurturing Multiple
Intelligences in Australian Classrooms, Hawker Brownlow Education,
Melbourne
学習用テキスト Multiple Intelligences a thematic approach, 2004,
R.I.C. Publications, Perth

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