オーストラリアで教育分野を勉強する留学生のインタビュー記録です。
留学の目的、実際の勉強の内容・様子、そして今後のキャリア目標などをお聞きしました。これから留学をお考えの方はぜひ参考にしてください。
●幼児教育研修プログラムに参加、小林久美子さん
●TESOL Certificate (Internationl House Sydney) 元中学英語教師 梶山貴子さん
●Certificate Ⅳ in TESOL (International House Sydney) 元中学英語教師 梶山貴子さん
●シドニー大学教育学部大学院でマネージメント&リーダーシップコースを修了 岡崎武司さん
梶山さんは現在(2007年)、日本で英語学校の講師として、またマーケティングスタッフとしても活躍中です。
Q簡単に略歴を教えていただけますか?
2006年4月にシドニーに来る前までの3年間、公立中学校で英語教師をしていました。2000年にはワーキングホリデーでオーストラリアに1年滞在しているので今回は2回目のオーストラリアです。その前は2年間OLをしていました。
Q今回オーストラリアでTESOLを勉強しようと思ったきっかけは?
中学校で3年間英語を教えていて、教師として学んだことはとても大きかったのですが同時に英語教育に対するい疑問も生まれてきました。「実践的コミュニケーション」が重視されるようになり、私なりに英語を通して海外の人と話せたり交流できることの面白さ、異文化理解の大切さなどを生徒に知ってもらいたくて、どうすればそのような授業が効果的にできるのか常に考えていました。しかしながら、(高校)受験もあるので、実際は試験のための英語とコミュニケーションのための英語との両輪を回す感じになったのが現実でした。
Q現在はインターナショナル・ハウス英語教師育成訓練専門学校(International House Sydney Teacher Training & Professional Centre)でTESOL Certificateコースを受講中ですがなぜこのコースを選んだのですか?
日本の英語教育ではなくて、海外の英語教育を学びたいと思いました。また、海外ではどのように英語教師を育成するのか、何に重点を置くのか知りたいと思いました。そして新たにいろいろな視点を得た上で、自分はどんな英語教育を目指すのか再考したいと思いました。インターナショナル・ハウスは、世界各国で教えた経験のある先生方が指導してくれる点とネイティブのオーストラリア人にも信頼を得ている学校だと聞いていたので選びました。
QTESOL Certificateコースで、特にどんなことが勉強になりますか? 授業の様子は?
理論をしっかり勉強するので、教壇に立っていた時に感じていたことを再確認することができています。自分の弱かった点も含めて何が重要か整理ができてきました。「教師の役割とは何か」とか「インストラクションの出し方」など毎回テーマについてじっくり考えさせられます。授業の進め方もディスカッションが多く、先生は生徒の意見を聞きながらまさにStudent
centred approachで進めます。聞いているだけの時間は少なく、考える時間が圧倒的に多いです。
このコースは、ケンブリッジ大学ESOL試験のTKT(Teaching Knowledge Test)にも内容的に対応しているので、終了後はTKTを受験して証書を持って帰りたいと思っています。
Qコース終了後の予定は?
次の段階としてCertificte Ⅳ in TESOLコースに進みたいと考えています。英語教師をめざすネイティブのオーストラリア人と一緒に勉強することになるので、高い英語力が求められますが楽しみにしています。
ありがとうございました。とても生き生きとした表情でインタビューに答えて下さったのが印象的で、今勉強されていることを確実にものにして帰国するのだという意気込みを感じました。その後、梶山さんはご希望通りCertificate
Ⅳ in TESOLのコースに進まれました。レポートは以下に続きます。

| Certificate Ⅳ in TESOL (International House Sydney) 梶山貴子さん |
Qクラスメートはどのような人たちでしたか?
ノン・ネイティブとネイティブの半々でした。中には大学院で応用言語学を専攻している人が、ホリデーを利用して受講していたり、地方都市から受講期間のみシドニーに滞在しているという人もいました。英語を教えるキャリアを確実なものにしたいという強い意志を持つ人が多く、とても刺激的でした。
Q授業内容は?
午前中は講義、午後は実習という形で授業が進められて行きます。講義の中では、理論と共に様々な教授テクニックを学びます。時には、自分達が生徒役となって多言語を習ったりもしました。午後の授業では、本当に英語学習中の生徒を前にして40分~60分の授業を行い、その後のフィードバックで自分の授業がどうだったかどう改善していくべきかを徹底的に話し合います。
Qアサイメント(提出課題)は?
CELTAを受講している人は4つ、Certificate Ⅳを受講者には9つのアサイメントがありました4週間で9つなので、1週につき2~3のアサイメントを提出する必要があり、かなりハードでした。内容はさまざまで、細かい文法を問うものや、実際の生徒にインタビューをしたり、日々の様子からどんな生徒かを分析するものがありました。
Q先生は?
私達のクラスには先生は3人いました。授業の内容によって先生が変わります。午前中の講義は生徒18人で一斉に授業を受けるのですが、午後の実習では18人いたクラスが3グループに分けられ、6人に1人の先生が担当します。どの先生も熱心で、とてもプロフェッショナルでした。私の英語に間違いがあると、時に正してくれたり、英語力向上のためにも指導してくれました。
Q学んだことで印象的だったことは?
このコースを受講して得たものはたくさんありますが、その中でもMPFと読んでいた「教える順序」の基本はとても勉強になりました。MはMeaning、PはPronunciation、FはFormです。この理論は生徒が意味を理解した後で発音練習をすることで音に耳を集中させます。正しい音を知ることで、リスニングの基礎を養い、英語らしい音をoutputできるようになります。その後で、つづりや文法を示します。先にFormを示すと、生徒は音に集中することができないからです。また、発問の仕方、Instruction
Checking Questionsや、Concept Checking Questionsも勉強になりました。この方法は、生徒の理解度を計るためと、再度確認のために行われますが、英語の授業だけでなく、他教科の授業にも応用できるものだなぁと思いました。
QこれからCeritificte Ⅳを目指す人達へのアドバイスは?
このコースは、4週間で理論も実践も行うとてインテンシブなコースです。そのため授業のスピードが速く、あまり復習のために使える時間がありません。できれば事前に9週間のTESOL
Certificate(TKT)コースを受けておくか、TKTを勉強しておくとより深く理解することができると思います。また、4週間はとてもハードですので、体調を整えてから受講した方がいいですよ。
Q今後の抱負は?
これからどこで英語を教えていくことになるかは分かりませんが、ここで学んだ知識と経験を日本の教育現場で実践していきたいと思います。グローバルな考え方や方法をどんどん取り入れていけたらいいなと思っています。
Qどうしてこちらのコースで勉強しようと思ったのですか?
このコースで学ぶ内容はは学校などの教育現場にとどまらず、会社や部署、コミュニティグループなどあらゆる組織経営に応用できる学問だと思いましたので、将来の就職を考えた時に、学んだことをより幅広く活用できるのではないかと思い選びました。
Q履修した授業で、特に興味深かったものを紹介していただけますか?
まずOrganisational Culture and
Changeです。Organisational Cultureとは例えば学校のクラスで、クラス毎に個性や雰囲気が違っていたりしますよね? それがどうして生まれるのか、なぜそうなるのかを検証していきます。また、Changeとは新しいことを取り入れたりした時に組織がどう新しいことに対して反応するのか、どうすればよりスムーズに新しいことが導入できるのかなどを検証します。
もう1つはSpecial Project in
Management and Human Resource Developmentです。自分の好きなテーマを選び担当の教授と話合いながら進めていく研究でした。私の場合、欧米で発展した学問としてのManagement and Leadership(組織経営と指揮)の理論がそのまま日本社会に通用するか、というところで疑問がありましたのでこの部分を追求したかったのです。タテ社会的な文化の中での上司と部下のコミュニケーションのあり方や、トップダウンの教育改革など日本の現状を踏まえて効果的な組織経営について自分なりに考えました。
Qどのような人達がこのコースに通っていましたか?
同じコースの他の学生は、管理職に就く学校の先生や事務員、また管理職を目指す人達が多く、こちらで学んだことをすぐに自分の職場で生かしキャリアアップを目指そうと考えている人達でした。留学生は自分以外ほとんどいなかったので授業についていくのに大変でしたが得るものは大きかったと思います。
Qこれからこちらのコースで勉強したいと希望する方にメッセージは?
このコースは心理学、社会学、教育学、経営学などいろんな分野からのアプローチで成り立っているので、勉強し始めてみると誰にでも身近な内容だと思います。私の場合は日本の大学卒業後すぐにオーストラリアに来ましたが、就職をして実際「組織」の中で働く経験があって同じ勉強をしたら、より深く、多くの視点を持って勉強できたのではないかと思っています。私自身もこちらに来てから現地でのアルバイトを通して実戦経験を積みました。「組織」での仕事経験を持って勉強されることをおすすめします。
ありがとうございました。大学院修了おめでとうございます。学ばれたことを活かして日本での就職活動も頑張ってください。インタビュー日 2006年7月6日

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